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2025.08.26
インタビュー

子育てとキャリアを両立しながら歩む道 ― 副看護部長インタビュー

当法人は「女性でも活躍できる、子育てをしながらでも活躍できる職場づくり」を目指し、えるぼし認定、くるみん認定、かごしま子育て応援企業、鹿児島県女性活躍推進宣言企業など、数々の認定を受けてきました。
その取り組みを支えるロールモデルのひとりが、副看護部長の道中さんです。子育てと仕事を両立しながらキャリアを重ね、災害派遣(DWAT)など幅広い経験を積まれてきた道中さんに、これまでの歩みや看護師としての思いを伺いました。


 「恥ずかしいですけど…私でよければ、という感じです(笑)。これまでの経験を少しでも誰かの参考にしていただけるなら嬉しいです」

ありがとうございます。ではここから、これまでの歩みや思いについて、いろいろお聞かせください。


道中副看護部長のご紹介

  • 向陽会に就職後、結婚・出産。産前産後休業・育児休業を2回取得されました。
  • 現在、ご主人・21歳の息子さん(看護大学3年生)・17歳の娘さん(高校3年生)の家族4人で暮らしています。

看護師を目指したきっかけは何ですか?

― 母が看護師だったんです。中学生の時に母の職場へ行き、“いいお仕事だな”と素直に思いました。

学生時代の学びで印象に残っていることは?

― 勉強は好きではなかったけれど、5年間楽しく過ごしました。実習は大変でしたが、患者さんと関わる時間は楽しかったです。

向陽会への入職を決めた理由を教えてください。

― 京都の総合病院で4年間働いた後、鹿児島に戻る際に向陽会を選びました。給与水準が高く福利厚生も充実していて、「この”やまびこ”って一体なんなの!?」と県内の他の病院との違いに驚きました。小児で働きたい気持ちもあったので、ここに決めました。

看護師としてのキャリアで忘れられない経験は?

― 師長になったばかりの頃、20代の利用者に胃がんが見つかりました。いち看護師として看取りの経験はありましたが、管理者としてはまだまだ勉強不足であり、かけだし師長として何もできない自分の無力さを痛感しました。周りの先輩方の対応から、ご本人とご家族に寄り添うことの大事さを学びました。

キャリアの中で直面した大きな挑戦は?

― 主事、副師長、師長、副看護部長と立場が変わるたびに「挑戦」でした。特に、前任者の退職により、訳が分からないまま師長になったときは、自分の無力さと歯がゆさに、泣きながら仕事をしていた時期もありました。ベテラン職員や同僚に助けてもらい、なんとか乗り越えられ、今の私がいます。

家庭と仕事の両立で心に残っていることは?

― 39歳で師長になりましたが、当時は我が子がまだ小学生。手がかかる時期でもあり、育児との両立に悩み何度も仕事を辞めようと思いましたが、同僚と家族の支えがあり、これまでなんとか続けてこられました。
 また、“職場には代わりがいても、お母さんの代わりはいないよ”と言って、快く休みを取らせてくださった先輩の言葉が胸に残っています。当時はまだ珍しかった、子の看護休暇も取らせてもらっていました。
土日や夜勤の日に、なかなか足が進まない子どもをお菓子で釣って託児所まで連れて行ってくれた同僚のことを思い出すと、今でも涙が出そうです。

看護師としてやりがいを感じるのはどんな時ですか?

― 今の立場では、管理者3人で協力しながら問題解決に取り組めたときです。前職の病院では患者様がお元気になられ、退院されていくことが何より嬉しい瞬間でしたが、ここでは入院・退院が少ない分、利用者と深く関わることができるので、日々の支援の積み重ねが大切だと感じています。

仕事とプライベートの切り替えで心がけていることは?

― 頑張りすぎない、できるだけ“~べき”を持たないことを意識しています。家には嫌なことを持ち帰らず、好きなだけぐーたらして過ごします。職場ではゆっくり喋るイメージがあると思いますが、子どもにとっては厳しく口うるさい母で、早口で怒ってばかりいます。

女性ならではの強みは何だと思いますか?

― 細やかさや丁寧さ、先を読む力。女性ならではの強みは現場でとても役立つと思います。

特別な経験として印象に残っていることは?

― 能登半島地震の際、DWAT(災害派遣チーム)の一員として石川県に派遣されました。避難所を巡回して健康チェックをしたり、本部での調整業務をしたり、様々な仕事を経験しました。“支援者は笑顔で元気よくね!”と言われたことが印象に残っています。多職種が協力して支援する姿から多くを学び、今でも当時の仲間とつながっています。

若い世代に伝えたいことは?

― 国家資格は一生の資格で、ライフステージが変わっても続けられます。自分が変化しても、いろんな働き方で続けられる。人と関わるのが好きな人におすすめの仕事です。

知識・技術はもちろんのこと、行動力と使命感を持ち、人の心に寄り添う看護師を目指してほしいです。

今後の目標を教えてください。

― 副看護部長として看護部長を支えること。

看護部長と5人の病棟師長にとって一番の理解者でいたいと思っています。

利用者、そのご家族にとって安心安全な「生活の場」を提供し続けていきたいです。